マッチはする。なのに3通目あたりで返信が止まる。例文を読み漁り、1通に何分もかけて文面を作り直しているのに、結果は変わらない。そんなあなたに向けて書いている。結論から言う。アプリのメッセージは、作り込むほど損をする。定型文を1つ作って数を回し、要件を端的に伝える。それで十分だ。理由は構造にある。アプリは女性に申し込みが殺到する市場で、女性は基本無料のまま並行して比べている。僕はEC企業で売上責任者をしていた。売る側の目で見ると、アプリのメッセージはWeb広告と同じ構造をしていて、反応が来ないのが普通だ。しかも僕自身、年収も身長もそれなりにあるのに、普通に無視されてきた。この記事を読めば、返信の有無に一喜一憂しなくなり、文面に使っていた時間を本当に効く場所へ回せる。
- アプリの男性が最初から不利な理由を、いいねの数と料金の差で示す
- アプリのメッセージはWeb広告、リアルで知り合った相手への連絡はBtoB営業。入口ごとの戦い方の違い
- 文面より効く3つのこと:定型文で数を回す、端的に誘う、プロダクト(あなた自身)を磨く
マッチングアプリのメッセージが3通で止まる。例文を読み漁っても変わらない
マッチはする。いいねも、ゼロではない。なのに、3通目あたりで返信が止まる。
そこであなたは考える。文面が悪かったのか。質問が足りなかったのか。絵文字が多かったのか。例文を探して読み漁り、1通に何分もかけて組み立て直す。送る。また止まる。
タップルが2025年2月に3,835名へ行った自社調査では、相手から返信がない経験が「よくある」「時々ある」と答えた人は合わせて92.0%だった。男女の内訳は、公表されている範囲では確認できていない。それでも、ほぼ全員が通る道だということは分かる。あなただけではない。
なお、マッチ自体が少ないなら、先に写真を見直したほうがいい。マッチングアプリのプロフィール写真、自撮りしかない男が最初に見るべき比較に書いた。この記事は、マッチしたあとの話だ。
メッセージが続かないのは、あなたの文面のせいとは限らない
見えないから、手が届く文面を直し続けてしまう
返信が止まる理由は、相手の頭の中にある。あなたには見えない。選ばれていないのか、並行して比べられているのか、ただ忙しいだけなのか。
根っこにあるのは、選ばれたいのに、選ばれているのかが見えない不安だ。魅力が足りないのか、やり方が悪いのかも切り分けられない。見えないとき、人は手が届く場所を直す。あなたが唯一コントロールできるのは、自分が書く文面だからだ。原因が文面にあるのかを確かめないまま、文面だけを磨き続ける。これが消耗の入口になる。
アプリでは、女性に申し込みが殺到している
Omiaiを運営するエニトグループが2024年7月に発表した数字がある。受け取るいいねの平均は、男性が20〜30、女性が100〜200。登録時期やアクティブさで差が出るという注記つきだが、真ん中の値どうしで約6倍、開きが大きいと10倍の差だ。
しかも、新規登録者の男女比はほぼ5:5だ。同社の2024年2月の発表では、2023年1〜12月の新規登録者は男性49.0%・女性51.0%だった。人数は同じなのに、いいねの数がこれだけ違う。差を生んでいるのは、男性が「送る側」に回る構造だ。
米国のデーティングサイトを分析した研究(Bruch & Newman、Science Advances、2018年。2014年1月のデータ)でも、最初のメッセージの8割超を男性が送り、女性の平均返信率は2割未満だった。海外のデータなので、構造の参考として読んでほしい。
女性の受信箱で、あなたは大勢の中の1人にすぎない。

しかも女性は基本無料で、並行して比べている
料金の差もある。Pairs・with・タップルは、公式の案内で女性が基本無料だ。一方、男性はPairsが月4,100円(Web)、タップルが月4,400円から(Web、シンプルプラン)と、月4,000円台から有料になる(2026年10月時点、各公式サイト表示)。
無料なら、女性は何人とでも並行して比べられる。ネット上の投稿965件を分類したLIFRELLの調査(2025年7〜11月)では、返信が途切れる理由の最多は「他に良い人ができた」の27.3%だった。投稿者の性別は不明なので、断定の根拠にはしない。ただ、並行比較が普通に起きていることは読み取れる。
ここで僕の話をしておく。自慢に聞こえるのは承知で、事実だけ書く。僕は年収が1,000万円を超え、身長は180cm以上あり、顔もときどきイケメンと言われる。それでも、普通に無視される。笑ってほしい。スペックが高くても、無理なものは無理なのだ。
つまり、止まるのは普通のことだ。無視されて傷つくのも普通のことだ。だから、自分を責めなくていい。
マッチングアプリのメッセージのコツとして、よく言われていること
上位の記事が勧める定番を、公平に並べる。どれも間違いではない。
質問を入れる・共通点で広げる
my-best、hhll、scbなど、上位のほぼ全てが勧めている。相手が答えやすい材料を渡す、という考え方だ。
例文・テンプレを使う
scbは例文を12本載せ、YouTubeには「テンプレ30選」もある。書き出しで迷う時間を減らす手段だ。
メッセージの頻度は「1日1往復」か「相手のペース」か
頻度の答えは割れている。next-levelは「1日1往復」を目安にする。my-bestは「相手のペースに合わせる」。with運営のnoteは「1日1往復説は間違い」と反論している。結論が記事ごとに食い違うので、あなたはどれを信じればいいか選べない。
早めに誘う
next-levelは「1週間」、team-rootersは口コミ調査から「1〜2週間」を会うまでの目安にしている。
絵文字・顔文字で親しみを出す、長文で熱意を伝える
これは自己流の定番だ。上位の記事がNGに挙げる催促や連投も、熱意を伝えたい気持ちの延長にある。
アプリのメッセージはWeb広告、リアルの連絡はBtoB営業だ
上で並べた定番のうち、質問・例文・絵文字・長文は、広告で言えば広告文(クリエイティブ)をどう磨くかの話だ。頻度と誘う早さは文面ではなくタイミングの話だ。頻度は記事ごとに答えが割れ、誘う早さは調査があっても因果が言えない。ここから、マーケの視点で評価していく。
返信が来ないのは、メルマガが開かれないのと同じ
メルマガの開封率は、いまの数字が水増しされている。2021年9月から、AppleのメールアプリはiOS 15以降、受信したメールを自動で「開封」扱いにする機能(Mail Privacy Protection)を入れた。Omedaが約8万の配信・約20億通を集計したところ、導入前後で、開封した人の割合(ユニーク開封率)がほぼ倍(15.2%から29.0%)になった。
だから、この仕組みが入る前の数字を見る。Mailchimpが2019年10月に更新したベンチマークで、ECのメルマガの平均開封率は15.68%。およそ6人に1人だ。購入までたどり着く割合は、Klaviyoの2026年版(20.5万超のブランドが対象、主に米国のEC)で0.16%。1,000通送って、購入は1〜2件になる。海外のデータなので、桁の目安として読んでほしい。
しかも、メルマガの読者は自分から登録した人だ。興味を持った人ですら、この数字になる。並行して比べている相手から返信が来ないのは、当たり前だ。

売る側から見れば、広告もメルマガも「当たらないのが前提」で数を回すものだ。1通ごとに魂を込めて、当たらないと落ち込む人はいない。
文面を作り込んでも、生まれる差は誤差だ
質問・例文・絵文字・長文は、どれも広告文の改善にあたる。そして、アプリではここで生まれる差は小さいと僕は見ている。並行して比べている相手は、1通ずつ文面を読み込んで比べているわけではない。会うかどうかは、写真とプロフィールでおおむね決まっている。文面の細部の出来が結果を動かす余地は、思っているほど大きくない。だとすれば、1通を作り込む労力に対して、返ってくるものが見合わない。ROI(投資した労力に対する見返り)が悪い、ということだ。ただし、これは調査で測れる話ではない。アプリの構造から出した僕の見立てとして読んでほしい。
もっと悪いのは、作り込むほど1日に送れる数が減ることだ。1通に20分かければ、打席は減る。部分最適(一部だけを磨いて全体を損なうこと)の罠になる。
例文やテンプレートは、否定しない。定型文で数を回すのは、Web広告の正しいやり方だからだ。
成約を決める一番大きい変数は、メッセージではなくプロダクトだ
売れない商品は、広告文を磨いても売れない。会うかどうかを決めるのは、写真、プロフィール、そしてあなた自身だ。マーケの言葉で言えばプロダクト(商品)にあたる。
メッセージは、最後の一押しにすぎない。モテを6つの層に分けて考えるとき、メッセージはコミュニケーション層で、本体はプロダクト(あなた自身の中身)とパッケージ(見た目や清潔感)にある。全体の考え方はモテるってなんだろう。「売上の式」でモテを因数分解してみるにまとめた。
リアルで知り合った相手は、BtoB営業のように向き合う
会社、サークル、趣味のコミュニティ。リアルで知り合った相手は、アプリの相手より並行して比べられている可能性が比較的低い。一方で、関係が続く。数を打つ考えは捨てて、向き合うべきだ。
ただし、遠回りしても仕方ない。BtoB(企業向け)の営業が、関係を築きながらも要件はストレートに伝えるのと同じだ。会話のHowにこだわるより、要望とベネフィット(相手が得するもの)をそのまま伝える。

明日からのメッセージは、短く、端的に、数で
アプリは定型文を1つ作って、数を回す
自分の定型文を1つ持つ。作り込むのは最初の1回だけだ。あとは回す。定型文の作り方と例文は、別の記事で型にしてまとめる。
足すのは一言だけでいい。相手のプロフィールの1点に触れる。タップルの調査(上と同じ3,835名・男女内訳は未確認)では、メッセージで嬉しかった内容の1位が「プロフィールに触れた具体的な興味」で22.0%だった。この一言なら、数を回しても負担にならない。
頻度は、相手のペースに合わせる。催促と連投はしない。
要件は端的に。会いたいなら会いたいと伝える
ダラダラと日常会話を続けるより、要望を伝えるほうが早い。例えば、相手のプロフィールにある店や趣味に絡めて「ここ、行きませんか」と具体的に提案する。会いたいなら、会いたいと伝える。
何往復目で誘うべきか、という数字は決めない。会うまでの日数と目的達成率の調査はあるが、早く会えた人はもともと相性が合う人かもしれず、因果は分からないからだ。
絵文字・顔文字は控えめにする
ここからは調査の裏づけがない、僕の考えだ。絵文字や顔文字は好みが分かれる。ただ、無くて無愛想に思われる確率より、多用して煙たがられる確率のほうが高いと僕は考えている。迷うなら避けたほうが無難だ。
止まったら、次へ。傷つくならデーティングアプリに切り替える
人間関係は変数が多すぎて、分解しきれない。止まった理由を考え込むより、次へ行く。
それでも無視が続けば傷つく。それは普通のことだ。傷つくなら、会う約束が先に決まるデーティングアプリという手がある。バチェラーデートはApp Storeの説明で「月4回デート保証」「面倒なやりとりは一切不要」とうたう。D³(旧Dine)は、日程調整とお店の予約代行を自動で行う(デート保証の記載はない)。メッセージで消耗する量を、減らせる選択肢だ。
リアルで知り合った相手には、遠回りせずに誘う
僕の体験を書く。会社の先輩が、同僚の女性に日常会話をLINEで延々と送っていた。結局、デートには行けなかった。
僕は行けた。理由は単純で、端的に誘ったからだ。たまたま社内で話す機会があったとき、「今日飲みに行きません?」と言った。彼女は少し驚いたが、まんざらでもなさそうに「いいよ」と答えた。終業前、LINEに「駅で待ってる」と届いた。たぶん、会社から連れ立って行くことに抵抗があったのだと思う。
誤解しないでほしい。これは、ある程度の関係ができていたから成立した話だ。いきなり誘えという話ではない。ただ、遠回りする必要もない。アプリ発でもリアル発でも、LINEに移ってからも、ゴールは会う約束だ。日常会話を続けることではない。
浮いた時間は、プロダクト(あなた自身)に回す
文面に使っていた時間が浮く。その時間は、会うかどうかを決める変数に回そう。清潔感なら清潔感は肌か髪か:一番見られるのは調査で割れる。それでも最初に投資すべきは肌だ、髪型なら似合う髪型は診断で決まらない:決めるのは長さ・髪色・パーマ・前髪の4つだけ。残りは美容師に任せるに書いた。メッセージの文面を1通直すより、こちらに時間を使うほうが投資効率はいい。
写真、プロフィール、メッセージと、会う前の段階の全体像は、コミュニケーション層のまとめでたどれるようにする。
まとめ
アプリの男性は、最初から不利な立場にいる。女性の受信箱にはいいねが殺到し、女性は基本無料で並行して比べている。返信が来ないのは、メルマガが開かれないのと同じ、当たり前のことだ。僕のようにスペックがあっても、普通に無視される。
だから、アプリのメッセージはWeb広告として扱う。定型文を1つ作り、要件を端的に伝え、数を回す。リアルで知り合った相手には、BtoB営業のように向き合いつつ、遠回りせず誘う。そして、成約を決める一番大きい変数は、メッセージではなくあなた自身だ。
返信の有無に一喜一憂しなくなれば、浮いた時間を本当に効く場所へ回せる。文面を作り込む沼から降りよう。
数を回す市場として、どのアプリを選ぶかが次の変数になる。メッセージで消耗したくないなら、会う約束が先に決まるタイプも含めて、マッチングアプリを目的別に比較した記事にまとめてある。自分に合う入口が決まっているなら、そこから選べばいい。


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