モテるってなんだろう。モテをマーケしてみる

知る

※この記事にはアフィリエイト広告を含みます

マッチングアプリを始めて1年。マッチはする。なのにメッセージが3通で途切れる。自己啓発書も何冊か読んだが、次に何をすればいいのかは書いていなかった。周りは結婚し始めている。服か、ジムか、別のアプリか。何にお金と時間を使えばいいのか決められないまま、今日もアプリを開いている。あなたが今いるのは、そういう場所ではないだろうか。

結論から言う。モテは「出会いの数 × 選ばれる率 × 続く率」の掛け算で決まる。 掛け算だから、一番弱い項を上げるのが最も効く。やるべき事は、自分のボトルネックを1つ見つけて、そこに集中する事だ。

僕は37歳、マーケティング職の会社員だ。メーカーでの原価構造分析、EC企業の売上責任者、複数事業の経営コンサル。10年以上、「売上を上げたい」という漠然とした課題を分解する仕事をしてきた。一方で、年収が上がれば勝手にモテると思っていた人間でもある。この記事では、仕事で使ってきた売上の式を、そのままモテに当てはめる。

読み終えれば、モテの全体像と、自分がどこでつまずいているかが分かる。その先にあるのは、効かない努力にお金と時間を注ぎ込むのをやめて、効く1か所に集中できる状態だ。

今回の記事でわかること
  • モテを「出会いの数 × 選ばれる率 × 続く率」に分解する式
  • 6つの層が、式のどの項を担っているか
  • 症状から自分のボトルネックを見分ける表

モテたい。でも、何から手をつければいいか分からない

モテたい。

男なら分かってもらえると思うが、「モテたい」という言葉は男同士の会話の中でひっきりなしに出てくる。もっとストレートに「×××してー」とかいう時もある。

そんな事は言った事がない、という人も内心では思っているはずだ。別に恥ずかしい事じゃない。人間として当たり前の欲求だ。

そして男は、この欲求のために結構バカな事をする。

高い服を買ってみたり、急に筋トレを始めてみたり、Pairsのプロフ写真のためだけにプロカメラマンに撮影を頼んだり。男は女に狂う。古今東西、これは変わらない。

僕も例外ではない。年収もそこそこ、見た目もそこそこ。モテたりモテなかったりを繰り返してきた。思い思われ振り振られ、だ。女性から告白された事もあるし、箸にも棒にもかからずLINEを既読スルーされた事もある。

正直に書くと、僕も的外れな努力をしていた。年収が上がれば勝手にモテると思っていた。お洒落にしていればモテると思っていた。どちらも無駄ではない。ただ、それが全体のどこに効いているのかを分かっていなかった。

男がバカな事をするのは、欲求が強いからだけではない。何から手をつければいいか分からないから、目についた所に手当たり次第お金と時間を注ぎ込んでしまう。 問題はそこにある。

モテ本の大半は、枝葉のテクニックで終わっている

書店に行くと、モテに関する本は山ほどある。「モテる男の会話術」「女性の心理を読む方法」「イケオジの条件」。ざっと見ても数十冊はある。でも読んでみると、大体こういう事が書いてある。

「自信を持ちましょう」「清潔感が大事です」「聞き上手になりましょう」。

SNSを開けば、年下女子を沼らせる方法だの、下世話なアカウントがいくつも運用されている。

どれも間違ってはいない。ただ、どれも枝葉のテクニックに終始している。清潔感は大事だ。だが、出会いがほぼゼロの人が清潔感を磨いても、見てくれる相手がいない。聞き上手になっても、会う前のメッセージで途切れているなら聞く場面すら来ない。足りないのは、自分にどの枝葉が効くのかを判断する地図だ。 真剣にモテるという事を紐解いた本は、僕の知る限り見当たらない。真面目に論じるような事ではないと言われれば、それまでだが。

これはマーケの世界でもよく起きる。本質的な事業成長に目を向けず、部分的な改善に固執してしまう。バナーの色を変える。コピーを差し替える。だが「そもそも誰にも見られていない」なら、コピーをいくら磨いても売上は動かない。世のモテの情報は、この傾向がとりわけ強い。

「売上を上げたい」と同じ構造で考える

僕はマーケティング業界の端っこで10年以上生きてきた。メーカーでの原価構造分析、EC企業の売上責任者、複数事業の経営コンサル、海外ブランドの輸入。立場は変わっても、やってきた事は1つだ。漠然とした課題を分解して、どこにお金と時間を集中させるかを決める。

漠然とした課題は、分解しないと動けない

「売上を上げたい」だけでは何も始まらない。課題が大きくて曖昧で、行動に移せないからだ。

でも「売上 = 流入数 × 転換率 × 客単価」と分解すると話が変わる。流入数はお店に来た人の数、転換率は来た人のうち買った人の割合、客単価は1人が払った金額だ。この3つを平均的な市場の数値と比べれば、ボトルネック(全体の足を引っ張っている一番弱い箇所)を特定できる。人が来ていないのか、来ても買われないのか、買われても一度きりなのか。それが分かれば、次に何をすべきかが決まる。

「モテたい」も同じだ。大きくて曖昧だから動けない。ならば分解すればいい。

モテを式にする:出会いの数 × 選ばれる率 × 続く率

モテ = 出会いの数 × 選ばれる率 × 続く率

売上の式と1対1で対応している。

売上の式モテの式中身
流入数出会いの数異性と知り合う機会がどれだけあるか
転換率選ばれる率知り合った相手に「また会いたい」と思ってもらえる割合
客単価続く率選ばれた関係がどれだけ長く続くか

客単価の位置に「続く率」を置いたのは、マーケのLTV(顧客生涯価値)の考え方だ。1回の買い物の金額ではなく、長く付き合うほど価値が積み上がる、という見方をする。恋愛も同じで、価値は1回のデートではなく、関係が続いた時間の中で積み上がる。

モテの式。売上=流入数×転換率×客単価の下に、モテ=出会いの数×選ばれる率×続く率を並べ、流入数と出会いの数、転換率と選ばれる率、客単価と続く率がそれぞれ対応している。掛け算なので、どれか1つがゼロなら全体がゼロになる。

大事なのは、これが足し算ではなく掛け算だという点だ。足し算なら、1つが弱くても他で補える。掛け算は違う。どれか1つがゼロなら、全体がゼロになる。 月に20人と出会っても、選ばれる率がゼロなら結果はゼロだ。

ボトルネックは人によって違う

掛け算にはもう1つ性質がある。全体の結果は、一番弱い項に引っ張られる。強い項をさらに伸ばしても、結果はほとんど動かない。一番弱い項を上げるのが、全体に最も効く。

そして、どこが弱いかは人によって違う。職場に異性がいない人は、出会いの数が細い。会えるのに2回目がない人は、選ばれる率が低い。付き合っても長続きしない人は、続く率が弱い。同じ「モテない」でも、弱い項が違えば打ち手はまったく変わる。 「清潔感が大事です」が効く人もいれば、まったく効かない人もいるのはこのためだ。

モテを6つの層に分ける

式の3つの項は、まだ大きい。「選ばれる率を上げろ」と言われても、明日何をすればいいかは分からない。そこでこのサイトでは、モテをさらに6つの層に分けている。

層マーケでの呼び方式のどこを担うか
知る市場理解全体の前提
出会うチャネル(売り場)出会いの数
育てるプロダクト(商品の中身)選ばれる率
整えるパッケージ(見た目)選ばれる率
伝えるコミュニケーション(伝え方)選ばれる率
続けるリレーション(関係づくり)続く率
モテの6つの層。知る(市場理解)を前提に、出会う(チャネル)が出会いの数を、育てる(プロダクト)・整える(パッケージ)・伝える(コミュニケーション)が選ばれる率を、続ける(リレーション)が続く率を担う。続けた結果は知るに戻り、仮説を更新するループになっている。

知る:市場理解(全体の前提)

市場理解。自分という商品と、相手という市場を知る層だ。式のどの項にも直接は入らないが、すべての項の前提になる。

相手を知るとは、相手が何を求めているかを知る事だ。このサイトでは、相手が求めている便益(相手が受け取る得)は「安心」だという仮説を立てている。スペックの高さで競うのではなく、一緒にいて安心できるかどうか。この仮説は次の2本で書いた。

– 余裕は自信の代替品:スペック勝負という罠から降りる考え方

– あなたが敗者になってしまう理由:根拠のない自信の育て方

出会う:チャネル(出会いの数)

チャネル(売り場)。式の「出会いの数」を担う。どこで出会うかによって、磨くべきものも変わる。アプリなら写真とプロフィール、リアルなら立ち居振る舞いだ。だからこのサイトでは、「出会う」を「育てる」「整える」より先に置いている。

– マッチングアプリ比較|男性はPairsかバチェラーデートでいい:アプリ選びに時間をかけず、母数のある場所で改善を回す理由

育てる:プロダクト(選ばれる率の土台)

プロダクト(商品の中身)。ここから3つの層が「選ばれる率」を担う。そして3つとも、相手に「安心」を届けるためにある。育てるは、その土台になる中身だ。時間はかかるが、積み上げたものは減りにくい。

– 体型投資は複利で効く:一日5分から始める健康習慣

整える:パッケージ(選ばれる率)

パッケージ(見た目)。中身が同じでも、伝わり方は見た目で大きく変わる。手に取られない商品は、中身を知ってもらう機会すらない。費用対効果の高い順に手をつければいい。

伝える:コミュニケーション(選ばれる率)

コミュニケーション(伝え方)。プロフィール文、メッセージ、会話。育てた中身と整えた見た目を、相手に届く形で伝える層だ。この層の記事は順次追加する。

続ける:リレーション(続く率)

リレーション(関係づくり)。式の「続く率」を担う。デートの組み立て、連絡の取り方、関係の育て方。この層の記事も順次追加する。

そして続けた結果は「知る」に戻す。うまくいった事、いかなかった事を材料に、自分と相手についての仮説を直す。観測して、仮説を更新して、もう一度試す。6層は一方通行の階段ではなく、回し続ける輪だ。

どこから手をつけるか:自分のボトルネックの見つけ方

6層を全部同時にやる必要はない。やるべきなのは、一番弱い項を見つけて、そこに集中する事だ。症状から見分けられる。

今の症状弱い項手をつける層
異性と知り合う機会がほとんどない出会いの数出会う
アプリでマッチがほとんど来ない選ばれる率整える
マッチはするが、メッセージが途切れる選ばれる率整える → 伝える
会えるのに、2回目につながらない選ばれる率整える → 伝える → 育てる
付き合えるが、長く続かない続く率続ける
何を試しても手応えの理由が分からない前提知る

冒頭の、アプリを1年続けてマッチはするが3通で途切れる人を例にする。マッチしている以上、出会いの数はある。弱いのは選ばれる率、それもメッセージの段階だ。ここで新しいアプリを足しても、増えるのは出会いの数だけ。選ばれる率が低いままなら、掛け算の結果はほとんど伸びない。見直すべきは、メッセージの途中で相手が見返す写真(整える)、そしてプロフィール文とやり取りそのもの(伝える)だ。

年収とお洒落に頼っていた頃の僕は、この見分けをしていなかった。自分の弱い項を知らないまま、年収とお洒落が効くと信じ込んでいた。

迷うなら、自分の数字を書き出せばいい。この3ヶ月で何人と知り合ったか。何人と会えたか。何人と2回目があったか。数字にすれば、詰まっている場所は見える。

このサイトが書かないこと

モテを真剣にマーケティングする。要素に分解して、変数を特定して、アクションを組む。馬鹿馬鹿しいと思われるかもしれない。これが「モテの戦略図鑑」のコンセプトだ。

だから、このサイトには「今すぐモテる方法!」は書いていない。そんな事は不可能だ。昨日までモテなかった人間が、次の日から急にモテる訳がない。

ただ、変わる事はできる。変えようと行動する事は、もっとできる。

まとめ

モテは「出会いの数 × 選ばれる率 × 続く率」の掛け算で決まる。売上を「流入数 × 転換率 × 客単価」に分解するのと同じ構造だ。掛け算だから、1つがゼロなら全体がゼロになり、一番弱い項を上げるのが最も効く。

このサイトは、その式をさらに「知る・出会う・育てる・整える・伝える・続ける」の6層に分けている。自分の弱い項が分かれば、読むべき層も、お金と時間を入れるべき場所も1つに絞れる。効かない努力に注ぎ込んでいた分を、効く場所に回せる。

まずは上の表で、自分の症状がどの行に当たるかを確かめよう。そして、その層の記事を1本だけ読んでみてほしい。

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