スポーツジムに通う際に、出会いが有るかもと期待する人は多いだろう。定期的に通う事で自然と顔を合わせるようになり、中を深めていく。そんな想像をしている人もいるかもしれない。
しかし結論から言う。ジムは出会いの場としてはほとんど機能しない。 出会いは、出会うために作られた別の場所で取りに行った方がいい。ジムは体を作る場所として使い、出会いはアプリで取りに行く。この2つを混ぜないことが答えだ。
僕はマーケティングの仕事をしていて、商品(プロダクト)を作る場所と、それを売る場所(チャネル)を分けて考える癖がある。そしてジムには週2回、ダラダラと3年ほど通った実体験もある。その両方から見えたのが、「ジムで出会えない」のは頑張りが足りないからではなく、場所の使い方を間違えているからだという構造だ。
この記事を読めば、ジムで出会えないことに落ち込む必要がなくなる。そして、体づくりとアプリでの出会い、それぞれに集中した方が、結果的に出会いにも近づけることが分かる。
- ジムで異性と出会えている人は2割しかいない、という調査データ
- ジムが出会いの場として機能しない理由(女性の目線・母数・工場と売り場の混同)
- 体づくりと出会いを分けて回す、具体的なやり方
ジムで出会える人は2割。残り8割は出会っていない
「ジムに通えば、体も鍛えられて出会いもある」。そう思ってスポーツジムに入会した人は多いはずだ。
実際の数字はどうか。株式会社ORGOが2022年2月に行った「ジムでの出会いに関する実態調査」(10〜50代の男女400人、男性151人・女性249人が対象)によると、ジムで異性と出会った経験がある人は20%だった。残りの80%は、出会った経験がない。
20%はゼロではない。「じゃあ5人に1人は出会えてるってことだろ」と思う人もいるだろう。それは正しい。だがこの記事で書きたいのは、その20%に入るための小手先のテクニックではない。なぜ8割の人が出会えないのか、という構造の話だ。 構造を知らずに頑張ると、ジムで浮くだけで終わる。
なぜジムは出会いの場にならないのか
女性は「自分のため」にジムに来ている
まず、声をかけられる側の景色を想像してみてほしい。
Yahoo!知恵袋にはこんな質問がある。ジムを出会いの場として勧められたが、周りは真剣にトレーニングに取り組んでいて、声をかけたら迷惑にならないか不安だ、という内容だ。この質問者の感覚は、たぶん正しい。
フィットネスジムに来ている女性は、恋愛の相手を探すためではなく、自分の体のために来ている。そこで見知らぬ男に話しかけられるのは、率直に言えば「キモい」と感じられやすい。これは女性という属性の話ではなく、場の目的とズレた行動をする人間がどう見えるかという話だ。図書館で隣の席の人に話しかけたら変な顔をされるのと、構造は同じだ。
ジムに通う男性そのものが悪いわけではない。体づくりに取り組む姿勢はまっすぐに良いことだ。問題は、その場で「営業をかける」行為の方にある。
そもそも女性が少ない
もう一つ、単純な事実がある。僕が通っているジムでは、女性は数えるほどだ。時間帯やジムの種類によって差はあるだろうが、少なくとも僕の実感では、ジムは出会いを探せるほど女性がいる場所ではない。
母数が少ない場所で「出会いの場」を期待するのは、そもそも設計として無理がある。魚のいない池で釣りをしているようなものだ。
工場で営業をかける人はいない
僕はマーケティングの仕事をしている。この場面を見ると、いつも同じ言葉が浮かぶ。工場で営業をかける人はいない。
工場は商品(プロダクト)を作る場所だ。営業は、その商品を欲しがっている客(顧客)に売る場所、つまり売り場(チャネル)で行う。工場の中を営業マンが歩き回って、作業中の職人に「いかがですか」と声をかけたら、明らかにおかしい。職人はそこに、商品を作るために立っているからだ。
ジムはあなたにとっての工場だ。体という商品を作っている場所であり、そこにいる他の人も同じく、自分の体を作りに来ている。ニーズが一致していない相手に営業をかけている状態、つまりセグメント(対象の切り分け)がずれた状態だと言える。工場で声をかけられて嬉しい人は、そう多くない。

それでもジムに行く価値はある。鍛えた体はモテうる
ここまで読むと「じゃあジムは無駄なのか」と思うかもしれない。そうではない。出会いの場としては機能しないが、体づくりの場としてはちゃんと機能する。
ウエディングパークが2018年6月に発表した調査(20〜30代の女性292人が対象)では、パートナーの体型に理想があると答えた人が87.3%だった。理想の体型は、細マッチョが45.9%で最多だが、ふつう(中肉中背)も30.2%いる。合わせると76.1%が「太っていない体」を求めているという計算になる。

出典:株式会社ウエディングパーク「パートナーの体型」に関する調査(2018年6月発表、20〜30代女性。理想があると答えた人の回答)
ここで大事なのは、求められているのが「鍛え抜かれた体」ではないという点だ。アスリート系マッチョは10.6%しかいない。細マッチョと中肉中背を足した数字が示しているのは、「運動してるのかな、くらいの体」で十分だということだ。
逆に言えば、太っていることは減点になる。同じ調査では、パートナーがいる女性の約4割(すごく7.0%+できれば35.8%)が、相手に「痩せてほしい」と思っている。今付き合っている相手にすら、4割がそう思っているということだ。
体は、モテを構成する要素の一つにすぎない。僕の学生時代の友人に、体型に恵まれず、運動が得意でもない男がいた。それでも彼はモテていた。理由は、自分の得意な分野に誇りを持っていて、それが自然と自信につながっていたからだ。体だけで全てが決まるわけではない。ただ、体は数字で見ても、整えておいて損はない要素の一つだ。
体は複利でしか作れない
体づくりが厄介なのは、短期間では結果が出ないことだ。ジムに1回行って体が変わることはない。
僕自身、ジムにはダラダラと通ってきた。週2回、真剣に追い込んでいるわけでもない。それでも3年ほど続けたら、体つきが明らかに変わった。見た目が良くなったと褒められることが増えた。1回1回の変化は誤差でも、積み重ねた時間は複利のように後から効いてくる。週2回を3年続ければ、300回を超える。1回で体が変わらないのと同じくらい、300回やって変わらないこともない。
一方で、20代の頃は徹夜で遊んでそのまま出社するような無茶をしていた。30代になって、幸い体型や体力はそこまで落ちなかったが、内臓が弱くなっているのをはっきり感じた。健康は、崩すのは一瞬で、戻すのに時間がかかる。 体づくりを後回しにするほど、取り戻すコストは上がっていく。
37歳になった今も、学生の頃から体型はそこまで変わっていない。むしろ痩せている方だ。運動を習慣にしてきたことが、かなり年下の女性と付き合えた理由の一つになっているかもしれない。ここは因果を証明できる話ではないので、「かもしれない」にとどめておく。
工場と売り場を分けて回す
ここまでの話をまとめると、答えはシンプルだ。工場(体を作る場)と売り場(出会う場)を分ける。
- ジムでは、体づくりに集中する。周りの人に営業をかけない
- 作った体は、写真という形で見せる。プロフィール写真は、鍛えた体を伝える手段になる
- 出会いは、出会うために作られた場所で取りに行く。今なら、その代表がマッチングアプリだ
工場で作った商品を、工場の中で売ろうとしなくていい。作ったものを、それを求めている客がいる売り場に持っていけばいい。ジムで出会えなかったことに落ち込む必要はない。そもそも、そこは出会うための場所ではないからだ。
まとめ:体はジムで作り、出会いはアプリで取りに行く
ジムで出会えている人は2割だけだ。残りの8割が出会えないのは、努力や見た目の問題ではない。工場と売り場を混ぜているという、場所の選び方の問題だ。
女性はジムに、自分のために来ている。そこで声をかける行為は、場の目的とズレている。そもそも母数も少ない。だからといって、ジムに通う価値がないわけではない。太っていない体は、多くの女性から求められている。体は複利でしか作れないからこそ、今日から積み重ねる価値がある。
ジムでは体づくりに集中しよう。そして、作った体を出会いの場に持っていこう。
体づくりというプロダクト(商品)の話は、ここで一区切りだ。次に必要なのは、その商品を届ける売り場、つまりチャネルの選び方だ。今なら出会いの主戦場はマッチングアプリで、アプリごとに向いている層や使い方が違う。目的別に比較したものをマッチングアプリの戦略的活用法にまとめている。体づくりと並行して、そこから自分に合うアプリを選べばいい。
体は、モテを6つの層に分けたうちの「プロダクト(育てる)」層の一部にすぎない。モテ全体の中で、今のあなたがどこから手をつけるべきかは、モテるってなんだろう。「売上の式」でモテを因数分解してみるで確かめよう。
※この記事で引いた調査
- 株式会社ORGO「ジムでの出会いに関する実態調査」(10〜50代男女400人、男性151人・女性249人、2022年2月2〜7日実施)https://www.ensports.com/magazine/meet-at-the-gym
- ウエディングパーク調査(20〜30代女性292人、2018年6月12日発表)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000019494.html


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